京野菜は他産地の野菜に比べて、形が独特であるイメージですが、堀川ごぼうはその最たるものです。
また、その起源もユニークなもので、それをお伝えします。
★いわれ
豊臣秀吉の時代に聚楽第という豪華な建物が、京都に建てられました。
その後建物は壊され、周囲の堀だけが残りました。
やがて周辺住民のゴミ捨て場と化した堀の中で、捨てられたゴボウがたまたま芽を出し生育したのです。
巨大なゴボウに生長したのを付近の農家が見て、生産し始めたのが起源だそうです。このため堀川ごぼうは聚楽ごぼうとも言われます。
「堀川ごぼう」の名前は品種名ではなく、1年以上かけて栽培する特別な作り方を発見したこと、京都市内堀川地域で良質なものが栽培されたことに由来すると考えられています。
ちなみに、堀川ごぼうを首都圏で紹介するとき、「大浦ごぼう」と間違われることが多いです。
「大浦ごぼう」は、先端が徐々に細くなることに対して、「堀川ごぼう」は、全体的に同じ太さで、先端がたこ足状に枝分かれしているなど、見た目が異なります。 一度見比べてみるとおもしろいかもしれません。
★特徴
堀川ごぼうは、普通のごぼうと比べて、食物繊維、カリウム、ビタミンCが多く含まれています。
堀川ごぼうの中心部は空洞になっています。いわゆる「鬆(す)入り」した状態ですが、そのため周りの部分は柔らかくて味がしみやすくなっています。 この特徴を活かして、空洞部に魚介類や肉類を詰め込んで、「鋳込み」料理にするのが有名です。
現在は、京都市のほか京丹後市や福知山市で生産されています。
★旬
堀川ごぼうの旬は11月から12月まで。大半が料亭など飲食店で消費されますが、直売所やイベントで手に入る機会があれば、是非ご家庭でもご賞味ください。
京のブランド産品については(公社)京のふるさと産品協会ホームページをご覧ください。
(公社)京のふるさと産品協会HP http://kyoyasai.kyoto/